新米オーナーのサロン経営日誌11【オープン10か月目 / 20年4月】

2019年の7月に神奈川県・向ケ丘遊園で独立した若手オーナー、『narii』の上原卓也さんの等身大なサロン経営を追っかける連載企画。4月は緊急事態宣言が発出され、各都道府県から強い外出自粛が要請されました。理美容室には営業自粛要請はされませんでしたが、自主的に休業、あるいは時短営業を行うサロンも。社会が大きく揺れた4月、上原さんはどのように過ごしたのでしょうか?

売上は昨年平均の55%減に

TOMO:4月は自主休業するか、短い時間でも営業するか、資金面の不安の中で多くのサロンさんがそれぞれの判断を迫らました。

上原:そうですね、SNS上でも休業すべきか否か判断が割れていたりして、ギスギスしたムードでしたね。結果的にうちは半月休業、半月は時短、という選択をしました。緊急事態宣言が出された4月7日までは通常営業をして、そこから17日まで休業して、18日以降は時短です。

TOMO:お客様の来店状況はどうだったのでしょうか?

上原:休業前の1週間は普段通りのペースで、それなりに忙しかったですね。金額で言うと30万円くらいで、今月の売上のほとんどがその期間です。世間的にいよいよ緊急事態宣言が出されそう、というムードだったので、その前に、という流れだったのかも知れません。

上原:営業再開後は1日1名か2名の来店で、さすがにお客様は少なかったですね。売上的には昨年(オープンの7月〜12月の平均)の55%減の数字でしたが、固定費分はまかなえたので御の字かなと。

TOMO:休業を選択した背景は?

上原:自分やお客様が罹患するリスクになるのもイヤですし、情勢に振り回されて中途半端な営業をするのは得策じゃないかなと。正直、どちらの選択が正しいのかは分からなかったですが、今後安心して来店していただけるようになるためにここは潔く、という感じです。

既存客のリターン率が激減
失客も覚悟

TOMO:先月もそうでしたが、やはりお客様は近隣の方が中心でしたか?

上原:そうですね。遠方に住んでいる方には、僕から他サロンの友人を紹介したりもしています。「今回は他のお店に行くけど次は…」と連絡をくれる方もいるのですが、失客も覚悟していますし、そのつもりで今後の集客を考えないと、と思ってますね。

TOMO:新規の方も数名来店していたんですよね。

上原:既存のお客様のご家族ですね。以前は他のエリアのサロンに通っていたそうですが、この事態でうちに来てくれたようです。あと、今月からスタートしたショートヘアのLP(ランディングページ)から1名来店につながりました。まだまだではありますが、やっとLPが機能してくれてかなり嬉しかったですね。

TOMO:LPも含めてですが、今月は発信であったり、お客様へのインフォメーションだったり、どんな風に取り組んでいたんですか?

上原:ヘアに関することやお客様のスタイルチェンジを普段通りに。休業のことだったり、必要最低限のことはお知らせしていますが、あえてコロナ関連の発信はしていないですね。個人的に、今のタイミングで安心安全をアピールするのが正しいのか迷いもあったので。

TOMO:休業中はどんなことを?

上原:同業の友人たちとの情報交換ですね。資金調達のことだったりとか、発信の仕方でどんなことを気をつけたほうがいいとか、幅広く。あとは、持続化給付金が、僕の場合昨年の創業だから申請に必要な書類が少し違ったりしてたので、それの準備だったりです。キホン、まじめに自粛してましたね。

今月の取り組み
LPの新規&リニューアル完成!
新しい看板の製作!

■LPの新規&リニューアル完成

上原:以前から進めていたパーマLPのリニューアル版と、新規のショートLPが完成して、4月1日からアップしました。今回はペルソナをより明確化して、よりエリアを絞り込んで運用しています。その甲斐あってか、ショート版からご予約をいただくことができました。休業期間以降はストップさせているので、時勢に合わせてどう運用していくか、改めて考えていきたいですね。

■新しい看板の製作!

上原:以前の看板が壊れちゃったので、休業期間を利用して新調しました。この時期に痛い出費ではありますが、地域の集客への投資と前向きに考えて…!

反省と来月に向けての活動
再オープンの意識で地域集客に注力
コンセプトを見つめ直した活動へ

TOMO:既存のお客様の周期が延びるなど、余波がしばらく続くことも考えられます。この事態から見えてきた課題とこれからの取り組みについて聞かせてください。

上原:この数か月で、やっぱり地域のお客様を呼びきれていない、ということを実感しましたね。現状、オープン時からのカルテ数で言うと300名弱のお客様がいますが、東京でのフリーランス時代から来ていただいているお客様も多数いらっしゃるので、地元の方の割合はそれほど多くないなと。

TOMO:特に今のような状況では、どれだけ地域のお客様を抱えているか、は大きいですよね。

上原:これを機に違うサロンに、というお客様も少なくないと思うんですよ。僕としては、もう一度新規オープンするくらいの気持ちで取り組まないと、と思っています。

TOMO:地域の方に知ってもらうための工夫をより強化していくと。

上原:具体的なことはまだまだですが、基盤をしっかりさせたいですよね。今できることとしては、検索エンジンや予約サイトのレビューを確実なものにしていく、ということに取り組んでいます。あとは、街全体が元気になれるような活動ができないかなと思うんですよね。僕のお客様の中には、営業自粛で打撃を受けている飲食やアパレル関係の方も多いんです。だから僕の店のことだけ考えてても上手く回っていかない。

TOMO:オープン当初から、人と人のつながりをキーにしていましたよね。

上原:ある意味、「Hair & Life Creation 東京に行かなくても上質なヘアを…」というサロンコンセプト改めて見つめ直すきっかけにもなっています。どういった仕方がお客様の生活に寄り添えるのか、安心してnariiに来ていただけるような情報発信とサロンづくりを考えていきたいです。


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新米オーナーのサロン経営日誌①【出店編】

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新米オーナーのサロン経営日誌➁【オープン初月 / 19年7月】

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新米オーナーのサロン経営日誌③【オープン2か月目 / 19年8月】

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新米オーナーのサロン経営日誌④【オープン3か月目 / 19年9月】

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新米オーナーのサロン経営日誌⑤【オープン4か月目 / 19年10月】

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新米オーナーのサロン経営日誌⑥【オープン5か月目 / 19年11月】

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新米オーナーのサロン経営日誌⑦【オープン6か月目 / 19年12月】

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新米オーナーのサロン経営日誌⑧【オープン7か月目 / 20年1月】

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新米オーナーのサロン経営日誌⑨【オープン8か月目 / 20年2月】

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新米オーナーのサロン経営日誌⑩【オープン9か月目 / 20年3月】


OWNER PROFILE & SALON DATA

上原卓也
神奈川県相模原市出身。住田美容専門学校卒業後、東京都内のサロン『RITZ』にて8年間勤めたのち、フリーランスとして活動。シェアサロンの店舗管理者としてサロン運営の基礎を学び、2019年7月4日に自身のサロン『narii』を神奈川県川崎市の向ケ丘遊園駅前にオープン。現在も、既存顧客のために都内のシェアサロンに立つ。

『narii』
立地 / 小田急線向ヶ丘遊園駅北口徒歩1分
坪数 / 15坪 2F
スタッフ数 / 1名
セット面2 / 2面
シャンプー台 / フルフラットタイプ2台