ミニマムショート②【プロトタイプのセクションを読み解く】

ミニマムショートのバリエーションを広げるベースになるプロトタイプ、つまり基本型を紹介します。まずは「セクション分け」のお話からスタート。なぜ「セクション」が必要かというと、髪が短いショートの場合、長さや段の違いが仕上がりに特に影響するのでアタマを分割して組み立てたほうがイメージに近づけやすくなるから。ベースになるセクション分けを1つ知っておくと、①【髪質に合わせてつくり分ける】のようにお客様の髪質や骨格にも対応できるようになります。では早速、プロトタイプからセクションを読み解いていきましょう!

ウイッグ制作・解説 / 堀江昌樹 [JENO]

ミニマムショートのプロトタイプを
じっくり観察!

ミニマムショートのプロトタイプ、つまり基本型です。
まずスタイルをじっくり見て、どんな情報が得られるかザックリ挙げてみると・・・

→センターパート
→前髪とサイドのアウトラインはつながっていない
→サイドのアウトラインは前下がり
→耳後ろがタイトでスッキリ
→すごく重いわけじゃないけど、丸さがある
→毛先にすき間があるけど、ラインも感じる
→スリークでコンパクト
→前から見るとウエイトが高そうだけど、後ろは低め
…etc

こんなところでしょうか。
印象を捉えたら、前・横・後ろを、もうちょっと細かくみていきます。

前髪はサイドの上半分の延長

まず前髪とサイドの関係に注目。
よく見てみると、サイドの表面の段差と前髪がつながっています。
このスタイルでは、前髪のセクションは取らずに、サイドをカットするときの流れで前髪をつくっていることが読み取れます。

次はアウトライン。
スッと収まるタイトさはありつつも毛先には厚みを感じるので、アウトラインのセクションを取ってラインを決めてから、段差をつけるアプローチが良さそう。

そして表面からすそにかけての段差です。
段の幅が広めでありながら、ウエイトもあって、微妙に段のつけ方が調整されている感じがします。印象としては、すそから表面にかけて、タイト→丸い→フラットといった感じ。少なくとも3つ以上のセクションに分かれていると予測できます。

耳を中心に
段の角度が変わっている

横の注目ポイントは、前後の段差の角度の違いです。
耳まわりを中心に、サイドは主に前下がりで、バックはだんだんと前上がりの角度がゆるやかに変化しています。
また、耳を中心にサイドとバックの段差がつながっているように見えます。

このことから、セクションごとにサイド→バックという流れで切っていることが読み取れます。

ウエイトをつくるセクションを
分け取っている

最後はバックです。
よく見てみると、タイトな耳後ろとは別に、アタマのセンター寄りに重さを残した丸い部分があります。

上のサイドシルエットも合わせて見て欲しいのですが、どうやらここがウエイトポイントになっているよう。

シルエットの丸さを強調するために、ウエイトをつくるセクションを分け取っているようです。

仕上がりと
セクションを一致させる

ミニマムショートのプロトタイプのセクション分けは、

サイド

・アウトライン(長さを決める・毛先の厚みを残す)
・アンダーセクション(スソのタイトさをつくる)
・ハチセクション(少し丸みをつくる・前髪をつくる)

バック

・アウトライン(長さを決める)
・アンダーセクション(スソのタイトさをつくる)
・ウエイトセクション(バックの丸みをつくりやすくする)
・ハチセクション(少し丸みをつくる)

表面

・トップセクション(フラットな表面をつくる)

ポイントは、目指しているカットラインや段差の角度とそろえてセクション分けをすること。セクションのカタチを仕上がりと連動させておけば、切るときの目安にもしやすいですし、パネルコントロールにも集中しやすくなるのではないでしょうか??

このセクション分けを応用すれば、ミニマムショート①【髪質に合わせてつくり分ける】のようにお客様対応にも使えます!

次からは、実際にプロトタイプを切っていきます。
お楽しみに!


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