ノンブローでもキマる、骨格や髪質の悩みにも対応できるというカット。Cocoon(東京・表参道)代表のVANさんに聞く連載第3回です!
気にするのは
「骨格からの角度」だけ
VAN よくカットの解説で「パネルを××度に引き出して」という説明がありますけど、Cocoonではそういう解説はしていなくて、骨格に対して上げるか下げるかだけで意識すればいいですよ、という教え方をしているんです。オンベースより上げるか下げるかだけ。
TOMO 高く引き上げて切るのは怖いという若い美容師さんは多いみたいですね。これVOL.9で紹介したんですけど、後ろと前の「骨格からの角度」は同じなんですよね。
VAN そうなんです。前の方は高く引き出しているように見えるけれど、これは骨格から見れば後ろと同じ角度なんです。だから下に落ちたとき、そんなに段差はつきませんよって説明すると「あ、そうか」って安心してもらえるんですけど。
TOMO やっぱり、「床に対して垂直」「床に対して平行」って意識が働いちゃうんだと思います。骨格じゃなくて。
VAN ですよね……。そういう人にも、ぜひ骨格からの角度を意識しながら切るというのを試して欲しいな。特に仕上がりが四角くなりがちなお客様に対して有効ですよ。頭の丸みに合わせてカットしていくとカドが残りにくいので、頭が四角っぽくなるのを避けられるんです。
TOMO 丸く切られていると、伸びても崩れにくいし、お客様が自宅で手入れもしやすそうですね。
「こっちに行きたい子」と
「あっちに行きたい子」
TOMO では、骨格の話に続いて、髪質の話を聞かせてください。クセ毛や毛流のせいで髪がまとまりにくいというお客様、多いですよね。
VAN 後からブローやアイロンを使わなくて済むようにするには、毛流れやクセはできるだけそのまま、活かして切っていきます。ただ、彫刻みたいに削るわけにはいかないですから毛束は引き出すんですけど、コームでのシェープがポイントですね。根元の毛流をつぶすようにコームを入れたり、テンションをかけてクセを伸ばしてシェープしたりはしないようにしています。
TOMO 人の頭って、毛流やクセの強さが途中で変わってきますよね。そこはどう切るんですか?
VAN 毛流で言うと、流れる方向によって分けて切っていきます。「こっちに行きたい子のグループ」「あっちに行きたい子のグループ」みたいな感じです。流れが違うグループの髪をひとつにして切ることは絶対しません。
TOMO スライスを均等にとって切っていくんじゃなくて、毛流やクセごとのかたまりで分けているんですね。
VAN そうですね。髪に合わせて切ろうとすると、スライスの幅や厚みも、場所によって変わってきます。