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頑張るアシスタントのお勉強ノート|今福彩海、田上彩花[SOIE / sisi]

頑張る若手美容師は、どんなふうに勉強してスキルアップにつなげているのか? その取り組みをインタビュー! 今回話を聞いたのは、レッスンノートのつけかたがとっても上手な、東京・青山「SOIE / sisi」で頑張る1年目アシスタントのお二人です。教わったこと、言われたことをメモするだけじゃなく、実際の仕事にアウトプットするための工夫が散りばめられています!

勉強法を教えてくれたのはこのお二人

今福彩海さん
東京・青山のサロン「SOIE / sisi」の1年目アシスタント。横浜商業高等学校別科 美容科卒。カラー塗布合格に向けて目下特訓中。
instagram / @ayami__imafuku
田上彩花さん
東京・青山のサロン「SOIE / sisi」の1年目アシスタント。SENDAI中央理容美容専門学校 美容科本課コース、理容科美容修得者コースを修業しWライセンスを取得。現在はカラー塗布合格を経て、徐々に営業デビュー。
instagram / @_ayktgm_

 


 

ー普段、練習はどんなタイミングでしているんですか?

基本的に朝は自主練をして、夜は先輩に見ていただいてます。毎週じゃないですけど、お休みの日にもお店を使わせてもらうこともありますね。

ー同期がいると、お互い刺激し合いながら進んでいけそうですよね。

そうですね。でも、2つの店舗を週替わりで交代しているので、一緒になることがあまりないんです。それぞれの場所で学んで、どうだった?って連絡を取り合いながら、という感じです。

 

 

ー練習のときに意識していることはある?

自分にとって早く手が動かせたり、上手くできるなというポイントをやりながら見つけて、自分のものにしていってます。先輩からも、色んな手段を聞いてやりやすい方法を吸収していけばいいよってアドバイスをいただいてます。
指摘されたところはメモしたり、自分の練習を動画で撮ってもらったりして、見返すことプラスまとめられるようにしています。お家で整理して、分からないことがあったら翌日先輩に聞いて、できないことを一つ一つ潰していけるように。
動画に撮ってもらうと、思ってるよりも出来てないことが分かるよね。「ここ、こんなに汚かったっけ?」って。
こんな動きしてるんだ、って客観的に見れるよね。

 

ーお二人とも、練習の中で見えた自分なりのポイントや気付きを抽出しているんですね。

ノートづくりがすごく役立ってます。営業中にバーっと書く用と、まとめる用の2つの2冊をつくっているんです
普段、言われたことをその場でメモするだけじゃ覚えきれないので、まとめることで頭に入ってきますね。家に帰ってまとめるときに、このときこうだったな、とか思い出しながらまとめることで、同じ状況になったときに思い出しやすくなるんです。
自主練や動画で大事だなと思ったところをマーキングしたり色をつけたりして、次に見返すときにパッとポイントが分かるようにしてます。

 

1回1回の練習にちゃんと意味を持たせて、
無駄にしないように心掛けてます。(今福)


左は営業中や練習中にメモを取るノート。これをもとに、自分の反省点や感想とともに要点をまとめ、そのときの状況をより振り返りやすくしている。

私にとっては、要点を箇条書きしておくことが、後で拾いやすくするポイントです。特に大事だなっていうところは色ペンで印をつけたり、そのときの自分の感想を付け加えておくことも思い出すことに役立ちます。1回1回の練習にちゃんと意味を持たせて、無駄にしないように心掛けてます。

営業中に新しく学んだことを、まとめ用ノートの付け足すことも多いです。そういった先輩からのアドバイスや注意点はフキダシにして、パッと見て分かりやすくしています。

 

営業中に見返すことも多いので、
パッと開いたときの見やすさも大事にしています。(田上)


「殴り書き用」だという営業中のメモ(左)もかなり整理されている。まとめ用(右)はイラストが多用され、パッと見でも情報が拾いやすい。

できなかったところは、同じミスを繰り返さないようにという意味で大きく書いたり、色を使って目立たせています。イラストや感想を付け加えながらまとめていくと、こういうことも言われたな、と思い出しやすくなります。後から付け足せるように、ゴチャゴチャ書き込み過ぎないこともポイント。

営業中に見返すことも多いので、パッと開いて見やすいことも大事にしています。例えばトリートメントのプッシュ数も髪の長さによって違うので、その数字に丸をつけておくことで、どこを見ればいいのか拾いやすくなるんです。

 

 

ーただまとめるだけじゃなく、振り返りや次の課題を見つけるのにも役立ちそうですね。こうしたノートづくりは、それぞれ自主的に始めたんですか?

そうですね。もともと字を書くのが好きなので、ただメモを取るだけじゃなくて、綺麗にまとめたほうがいいかなと思って始めました。そのほうが、自分でも覚えやすいですし。
私は学生時代に、先生の展示をメモしてノートにまとめる、という授業があってその延長です。このやり方のほうが自分は吸収できるなと思って続けてます。
たまたま同じ店舗に出勤することがあって、お互いノートをつくっていることが分かったんです。それで各店舗のちょっとした違いとか、こういう状況だったらこうしてるとか、共有するようになりました。
練習のことも、進め方は同じだと思うんですけど、指摘されていることは若干違ったりするので、そういうことは共有して差が出ないようにしています。

 

ーノートにまとめたポイントや改善点を、実作業に落とし込むためにどんな工夫をしているんですか?

先輩に見てもらうときは、前回できなかったポイントを先に伝えて、そこを中心にチェックしてもらっています。他にもできていないことがあったら指摘してもらうようにもしています。営業中も指示される前に、こうしますか?と自分なりに考えてみるように意識しています。
私も、今回の練習ではこれを頑張ろうっていうのを1つ決めています。ノートに書かれた沢山のポイントや指摘された点の中で、目的を1つか2つに絞って消化する感じです。先輩も「今日は何を頑張る?」って聞いてくれるので、私もここを改善するって宣言するんです。色々考えちゃうと散漫になりやすいですが、絞ることで自分の意識を向けることができるかなって思ってます。

 

 

ーお二人のやる気の源泉はどこに?

なるべく早くデビューしたいっていう目標があって、それに向けて、時間を無駄にせずに進んでいきたいなと思ってます。早く営業入りたいなとか、カラーできるようになりたいなとか、色々思う中で、今はやるべきことをやるしかないなと。それに、同期の彩花ちゃんが頑張っているから自分も、というのも大きいです。
私も彩海ちゃんが頑張ってるから自分も頑張ろうと思えますし、早く仕事を覚えてサロンの先輩たちにも貢献できるようになりたいっていうのがあります。これは入社したときからずっと思ってて。営業中も、自分がもっと頑張って合格していればヘルプに入れるのにな、と思うこともあるんです。自分のできることが増えれば、お店をよりスムーズに回せるかも、とかそういったことでも頑張ろうって気持ちになります。
仕事でやってるというよりは、好きだからやってる感じです。自分の技術を高めるために。だから、休みの日にもお店を使って練習していい環境って有難いなと思いますし、無駄にしたくないなと。先輩に見てもらう時間も貴重だから、自分でも精一杯やって成長につなげたいんです。
私も、義務感とかじゃないですね。自分たちがやりたいからやってる感覚。今レッスン中のカラーも、6月中にお客様に入れるようになるって自分の中で目標を決めていたので、それに向けて練習してきていて。もっと練習したいと思ったときに、定休日でもお店を使わせもらえたりとか、先輩が時間をつくってくださったりとか、そういった皆さんの支えも頑張れる理由です。良い連鎖の中にいる感覚がありますね。

 

 

ーゆくゆくはどんな美容師になりたい?

先輩方が施術をして、お客様が笑顔で帰っていく様子を日々見ていて、美容師は人を幸せにできる仕事なんだって改めて思います。髪型を変えたり綺麗にすることで、その人が次の日から明るく過ごるってすごい良いなって。美容師だからこそできることだと思いますし、私もお客様の日常や気持ちをランクアップさせられるような存在になりたいです。今はまだまだですが、できることもどんどん増やして、自分の代名詞になるような得意なことを1つ見つけたいなと思ってます。
私は美容師免許と理容師免許の両方を持っているので、ゆくゆくは理容の資格も活かせるような仕事もしたいなと思っています。それと、技術だけじゃなく人柄も磨いていきたいです。サロンに来る目的が、髪を綺麗にすることはもちろんなんですけど、私と話したりとか会うことが楽しみになる、そんな理美容師になりたいなと思っています。

ーぜひ目標を叶えてください! ありがとうございました!

 


 

代表 柳原弘樹さんに聞く!
それぞれの“やりたい”を応援する
SOIE / sisiの教育方針

僕が上京した10数年前は、とにかく自分でやらないと上に行けない時代。周りのスタッフも含め、それが推奨されていた環境だったので、当然のように自分も休日返上で撮影やセミナーに取り組んでいました。

今の時代にあっては、厳しく指導したりとか、練習日を決めて強制的にやらせるとか、そういったことは僕はやりたくないんですよね。当人たちのやりたいときに練習できて、もちろん休日は休む、というのでいいかなと思っています。

そういった意味では、自分で目標を持って取り組む必要はありますね。レッスンの進みが早いか、ゆっくりか、というのも実は大したことではなくて、どんな美容師になりたいかに向けて自分のペースをつくっていくことのほうが大事です。

2人のような若いスタッフへの教育というところでは、スタイリストに任せている部分は多いですね。僕を除けば女性のみのサロンなので、僕の考えを押し付けるよりも、各店のやり方で教えやすいように話し合ってやってもらっています。

ではサロンとして何をするのかといえば、それぞれのやりたいことを伸ばすこと。営業を頑張りたい、撮影を頑張りたい、コンテストに出たい、など何か目標があればそこへの協力は惜しまないスタンスです。スタイリスト一人ひとりが前進していくことで、若いスタッフも自分がどうなりたいかをイメージしやすくなるんじゃないかと思っています。

 

Profile
柳原弘樹さん
香川理容美容専門学校卒。30歳で上京し、『AFLOAT』に入社。アシスタント時から精力的に作品撮りやブログなどに取り組み、デザイン力と発信力を磨く。サロンワークの他、セミナー講師、雑誌撮影、ヘアショーなど外部活動でも幅広く活躍。2019年10月に自身のサロン『SOIE(ソワ)』を構え、2021年11月には2店舗目となる『sisi』をオープン。
instagram / @yanagihara_hiroki

 


 

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