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なりたい雰囲気を引き出すコツ / “オルタナティヴ”小俣恭平さん[FILMS SHINJUKU]

ヘアスタイルから感じる雰囲気は、お客様の満足度を左右する大切なポイント。“なりたい雰囲気”を叶えるのが上手な美容師さんに、イメージを引き出すコツやポイントを教えてもらいます! 今回は、脱・大衆なオルタナティヴ路線で勝負するFILMS SHINJUKUの小俣恭平さんに聞いてみました。

主流に乗らずに
自分の感性で勝負する


小俣さんのInstagram(@films_omata)より

―小俣さんの推しの雰囲気ってある?

はっきりコレ! というのは狙ってないんです。アシスタントの頃から作品を撮りためていたこともあって、僕自身の「好き」が上手く消化されてきたところはありますね。

ただ、やりたくないことは明確にあります!

 

―やりたくないことって?

コンサバやゆるふわと言われるテイストです。一般的には主流というか、受け入れやすいことは分かるのですが…、自分的にあまり魅力を感じなくて。

美容学生時代から、尖ったものや人と違う感性に憧れていたことが影響しているかもしれないですね。大衆に染まらない感じというか。

だから、僕じゃないとつくれないものや、僕の感性に引かれるお客様に来て欲しいという気持ちがあります。

 

―それでショートを推してるんだ?

ショートは切る人の味が出ると思うんです。カットの仕方はもちろん、スタイリングも技術者の触り方で変わるんですよね。アシスタントのときからこだわって突き詰めたヘアの質感とか、自分なりのものが無意識に出てくる部分があるんじゃないかと思っています。

 

 

お客様のこだわりと
背景に目を向ける

―実際、どんなお客様が来てるの?

似合うものを教えて欲しい、というスタンスの方が多いですね。おおまか希望はあるんですが、どれが良いか分からないみたいな。

でも、ゆるふわだけは絶対ヤダ! みたいなこだわりがある感じです。

新規の方は100%僕のインスタを見て来店されるので、モードやストリートなどカッコ良く見られたい方が多いかなと思います。

新宿店に異動してから学生さんの新規も増えましたが、顧客層だと20代~30代前半の社会人の方ですね。

 


小俣さんのInstagram(@films_omata)より

―お客様のどんなところを見てスタイルを提案するの?

骨格、髪質、パーツの位置といった理論的なことだけじゃなく、感覚的なところも大事にしています。

持っている物やメイクもそうですが、ファッションの組み合わせ方、どこのブランドを着ているのか、といったとこからも、こだわっている雰囲気を掴んでいますね。

実際に提案するときは、どれくらいスタイリングできるか考慮しますね。やっぱり、家でも同じクオリティを保てないと、毎日ストレスになると思うので。

パッと見の外見だけじゃなく、朝起きるのが苦手かどうかといった普段の生活や、お金をかけている部分だったりと、お客様の背景にも意識を向けるようにしていますね。

 

 

2択方式で
イメージを具体化させる

―ヘアスタイルはどうやって絞り込んでいくの?

2択方式ですね。

例えば「とりあえずショート」みたいなざっくりしたオーダーなら、ベリーショートとニュアンスボブの画像を見てもらってテンションを確認します。もともとロングのお客様だったりすると、ボブレングスでもショートと感じていることが多いので。

次は、カッコイイとカワイイのどっちがいいか? からフォルムや前髪の有無を絞り込んでいく感じですね。

それでも決め切れないお客様には、「周りからどう見られたいか」という風に問いかけを変えてあげるようにしています。

 


小俣さんのInstagram(@films_omata)より

―カウンセリングで大切にしてることってある?

まずはお礼から、ということは決めてます。インスタきっかけで、遠方からわざわざ来てくれる方もいますし、緊張していることも多いので。まずは居心地が良くなるように意識してます。

オーダーに関しては、いかに具体化するのかを重視しています。ショート希望なら、なんで短くしたいと思ったのか、あるいは量の多さに悩んでいたら、どういう時にそう感じるのかとか。そこから髪質の特徴を説明して、オススメのメンテナンス周期だったり、プロ目線での道を提示するようにしていて。

髪質を説明するのは当たり前ですが、お客様自身にも理解してもらうことで、任せてもらいやすくなるんですよね。来店から時間が経っても、僕のアドバイスを覚えていてもらえますし。

 

 

求められる部分を
尖らせる

小俣さんのInstagram(@films_omata)より

―満足度を高めるコツは?

技術・接客・雰囲気・再現性のどれが欠けてもいけませんが、お客様によって求めていることが違うので、どこにウエイトを置くかのバランスはありますね。

例えば過去に美容室で失敗した経験がある方には、技術的なアプローチをお伝えしたほうが、違いも含めてより満足感が高まりますよね。

そうじゃない方に対してはあえて細かく説明せずに、実際に再現性の高さを体感してもらえればいいのかなと。技術的なことは、何度かリターンしたタイミングで言ったほうが「そうだったの!?」と感動につながりやすいと思っています。

 

 

蓄えたストックが
叶えられるデザインを広げる

―最後に、小俣さんの「強み」を教えて!

女性像のストックですね。一人の美容師として見てきたものや触れてきたものの量で、そこって変わると思いますが、僕はその幅が広かったんじゃないかと。

学生時代から奇抜で個性豊かな友人に囲まれながら、クリエイティブなものにも沢山触れてこれたんですよね。

美容師としてお客様にヘアスタイルを提供することって、自分が持つストックをどこまで一般化できるか? という引き算の視点なんだと思うんです。そういう意味では、引き出しが沢山あるって大事ですし、お客様のこだわりを汲み取って形にするツールになるんじゃないでしょうか。

 

 

 

PROFILE

小俣恭平(おまた・きょうへい)

1995年5月8日。栃木県上三川町出身。日本美容専門学校卒業後、都内1店舗を経て、FILMSのオープニングメンバーとして参加。19年8月1日に銀座店でスタリストデビューし、20年5月16日の新宿店オープンと同時に異動。現在トップスタイリスト。趣味はお洒落コインランドリーでビジネス書を読むこと。その時間を持つために、あえて洗濯機は買わないというこだわりも。

 

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