なりたい雰囲気を引き出すコツ / “海外風カラー” 大石啓慈さん[ADITION]

ヘアスタイルの“雰囲気”は、お客様が「この髪型にしてみたい!」と感じる大切な要素の一つ。みなさんも、お客様と一緒にSNSの画像を見ながら雰囲気を探るケースが多いのでは? ”なりたい雰囲気”を叶えるのが上手な美容師さんに、イメージを引き出すコツやポイントを教えてらいます! 今回は、地毛とハイトーンを組み合わせたデザインを打ち出す『ADITION』のオーナー大石啓慈さんに聞いてみました。

地毛×ブリーチ デザインで
クールな女性像を打ち出す

ー大石さんが推している雰囲気ってどんな感じ?

クールでかっこいい雰囲気ですね。僕自身、自律している人物像や個性を大切にしている女性像を、ヘアデザインとして表現したいとういう気持ちがあるので。

それもあって、バレイヤージュやエアタッチ、ハイライトといったブリーチデザインを打ち出しています。

ーお客様はどんな方が多い?

サロン全体でいうと、ファッションのテイスト的にはカジュアル系からギャル系まで、様々ですね。

中でも、僕個人はナチュラルな感じのお客様が多くて、海外ドラマの女優だったり、外国人の髪の雰囲気に憧れがある方が多数いらっしゃいます。

打ち出しているのが地毛を活かしたブリーチデザインなので、「ハイトーンカラーは初めて」という方も受け入れやすいんじゃないかと思います。

筋感と陰影で品のある”海外風”を実現


大石さんのInstagram(@adition_kj)より

ー海外風の雰囲気をつくるポイントは?

筋感と陰影ですね。お客様もそこに魅力を感じていることが多いです。

テクニック的にはシンプルで、頭をブロック分けして、セクションごとにカラーを入れていきます。バレイヤージュにするのか、エアタッチなのか、ウイービングなのかの選択はお客様によって変えているんです。

カラーだけじゃなく、実はカットも重要なんですよ。今って「ブリーチしているけど傷んで見えない」がキーワードなので、それを叶えるためにも、毛先のまとまりが大切なんです。

なので、動きはハチ上のレイヤー、そこから下はグラデーションまたは切りっぱなし、のようにツーセクションで組み立てるといいと思います。

あと、コテでのスタイリングで甘くし過ぎないこともポイント。顔まわりのリバースや、毛先の逃がし具合を調整して、海外風の雰囲気を似合わせますね。

”お客様フィルター”を通して見る

ーどうやってお客様に合うように調整してる?

お客様が希望するヘア画像に、ライフスタイル、メイク、ファッションなど、その人の私生活や好みのフィルターをかけていくイメージですかね。特にしっかりチェックするのは、メイクとライフスタイルです。

メイクはどんな女性像に憧れているのかが表れやすい部分なので、ナチュラル系なのかとか、K-POP好きなのかとか、テイストの判断に。

ライフスタイルは主に、本当に希望のカラーをして大丈夫なのか? を気にします。

社会人なのか学生なのか、お仕事的に大丈夫なのかとか、そういった点ですね。ブリーチ具合はもちろんですけど、地毛とブリーチ部分の割合や、選択する技術も変わってきますね。


大石さんのInstagram(@adition_kj)より

ー何を叶えてあげると満足してくれる?

希望デザインをそのまま実現できるパターンと、ちょっと調整するパターンで違いがあるかも知れないです。

そのままできるパターンは明るさですね。よくあるのは、ブリーチでオレンジ味が出てしまって、色を入れるときに暗くしてしまう失敗。明るさって分かりやすいぶん、結構シビアな目で見られてるんです。

なので、事前にどれくらいベースを明るくする必要があるのかも共有しておくことが大事になると思います。

もう1つの調整するパターン、主に希望よりも暗い印象になるという場合は、透明感のある暗さ。でもこれが意外と難しいんです! 絶妙な暗さというのがあって。

お客様によって、どのくらいの明度から暗いと感じるのかとか、アッシュの色味の濃さの違いがどう見えるのかとか、人それぞれなんですよね。

言葉だけだとニュアンスのズレが出ちゃうので、画像やチャートを見たりしながら、より細かく仕上がりのイメージを共有するようにしています。

ブリーチデザインは褪色前提
1か月後を見据える

ーほかに、これはやっちゃダメ! ってある?

1か月後のデザインと、ライフスタイルが合わないことです。ブリーチするデザインって必ず褪色していくものなので、当日の色味なら仕事的にもOKだけど、色が抜けて黄味が出てきたらアウト、のようなケースがあり得ます。

服装やメイクはヘアに合わせて変えたりできますけど、仕事も含めて私生活はそう簡単に変えられないですよね。そこを無視して希望を100%叶えたとしても、いい結果とは言えないと思うんです。

僕の場合は、バレイヤージュやハイライトがそれぞれどういうデザインになるのか、1か月後にどんな風に色が抜けていくか、写真を見てもらったりして共有するようにしています。

ー最後に、大石さんが雰囲気づくりで大事にしていることを教えて!

やっぱり、1か月後の馴染みですね。地毛を活かしたカラーということもあって、ブリーチのつなぎ目やぼかしの部分が、褪色後もちゃんとデザインとして成り立つように意識してます。

もう一つ言うと、顔まわり。SNSを見てくれているお客様はバックショットの雰囲気でオーダーされるわけですが、一人ひとりに合わせるという点では、やっぱり顔まわりのインパクトはハズせない部分ですから。

考えるポイントは、明るさや動きがどう見えれば希望の雰囲気に近づくのか、ということ。

前髪が無い方だったら、かき上げたときや、普段のスタイリングをしたときのカラーの出方が大事になりますし、前髪がある方ならバックのデザインと揃えるのか、または暗く残すのか。そういった、前後のデザインの組み合わせ方によっても、雰囲気の幅は広がるんじゃないかと思いますね。

PROFILE

大石啓慈(おおいし・けいじ)
ADITIONオーナー。1988年2月21日生まれ。北海道富良野市出身。北海道美容専門学校を卒業後、都内2店舗を経てALIVEに参加。2019年6月1日に、東京渋谷に自身のサロン『ADITION』をオープンする。シンプルかつ最大限の効果を生み出すブリーチテクニックで、上品で繊細なカラーデザインを打ち出す。趣味は将棋、という渋めな一面も。