ヘアカラーの中でも、アルカリカラーで染めるヘアカラーの働きは特徴的で、とある2つの反応を並行させて髪を染めています。基本的にはどんな製品でも同じ反応で染めているわけですが、仕上がりの色や明るさには違いがありますよね? 新しいタイプのカラー剤と従来のオーソドックスなタイプとで、実際に染め比べて見てみましょう!
“脱色”と“発色”で
染まる!
サロンでよく使われ、アルカリカラーと呼ばれている酸化染毛剤は、「脱色」と「発色」という2つの反応で髪を染めています。
脱色はその言葉の通り、色を抜くこと。つまりメラニン色素を分解して髪を明るくする反応です。そして発色は、酸化染料という色素が髪の中で色付く反応です。
つまり、1回の施術の中で、トーンアップ(メラニン色素の分解)とトーンダウン(染料の発色)を同時に行って髪を染めているわけです。そのため、髪自体の明るさは、仕上がりの明度よりも明るくなっています。
トーンが上がるほど
脱色・大 / 発色・小
2つの反応のバランスは、トーンが低いほど「脱色・小」「発色・大」、トーンが高いほど「脱色・大」「発色・小」という傾向があります。ただし、製品ごとに染料の濃さ、脱色力が異なることはもちろん、各明度レベルの明るさの設定にも差があるため、あくまでも比較の基準として捉えるといいと思います。
高トーンで
染料が濃いカラー剤も
OX6% 20分放置
これらは、ブリーチ剤で12レベルまでリフトアップした毛束に、各トーンのアッシュ系で色味をのせたもの。左は脱色と発色のバランスがオーソドックスなタイプのカラー剤で、右はこの数年多数登場している新しいタイプです。このように、同じトーンでも、仕上がりの濃さに差があるため、どんな風に仕上げたいのかに合わせて、使い分けるといいですよ。
脱色力にも微妙な
差があることも
OX6% 20分放置
こちらは、ベースは4レベル毛で、染料を抜ききった毛束。この検証では、8レベルと10レベルでは大きな差はありませんが、6レベルと12レベルで、アンダートーンの明るさに若干の差がありました。
こんな風に、仕上がりの濃さ(発色)とアンダートーンがどれくらいの明るさになっているのか(脱色)をイメージするのは、お客様の髪のコンディションを把握するのにとても役立ちます。サロンで使っているカラー剤にどんな特徴があるのか実験してみると、スタイル提案の新しいヒントにつながるかも知れませんよ!
※本記事はTOMOTOMO BASIC SERIES VOL.04をもとに書かれたものです。
カラー、毛束制作 / 堀 加奈子(Belle)
ヘア / 鈴木 唯(Belle)
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