前回の記事[パーマを成功させるテクニック ベースカット編]で軽さが大事と書きましたが、やたらと軽くしてしまうのも失敗のもと。軽さの判断は経験値も必要なところですが、まずは全体の毛量を均一にすることをイメージしてみるといいかも。
ヘア・テクニック / 柳 亜矢子 [broocH]
フォルムを小さくするイメージ
髪の量は場所によってムラがあったり、細さが違っていたり、あるいはダメージによってかかりやすさにも違いがあります。均一に、イメージ通りにウエーブを出すには、かけたい部分の厚みを揃えておくことが第一歩。
どれくらい軽くすればいいのか? というハッキリした基準は設けづらいのですが、まずは均一な毛量を目指すことがポイントです。
より分かりやすくするコツとして、頭をブロック分けして、フォルムを小さくするイメージでセニングを入れてみましょう。
半開閉のスライドセニング
テクニック的には、セニングを半開閉させながらスライドさせる「スライドセニング」を入れます。
フォルムを崩さないようにするコツは、縦スライスで引き出してカットラインが見えるようにすること。厚みの把握もできるので、均一な毛量に近づけやすくなります。
ネープ・耳後ろ・ハチまわり・ハチ上
ブロックごとにどうしたいか決めよう
ロッドをどう配置するかにもよりますが、バックはこの4ブロックに分けてそれぞれの厚みを揃えていきます。
ポイントは、それぞれのブロックで「どうしたいか?」、「どこからウエーブが欲しいか」を決めること。このスタイルの場合は根元からウエーブを出す想定で、↓のようにカットしています。
●ネープ…内側の髪はかかりにくい傾向がある、毛先のラインは残したい
→根元1/3~中間
●耳後ろ…耳後ろは毛量が多くウエーブが溜まりやすいので軽くしたい
→根元1/4~毛先
●ハチまわり…根元近くからウエーブを出したい、重なったときに抜け感が欲しい
→根元1/4~毛先
●ハチ上…表面にウエーブの質感が欲しい
→根元1/3~毛先
こめかみ下、ハチまわり、ハチ上
顔まわりは分けて厚みを見よう
サイドもバックと同じで、各ブロックの役割をイメージしながらカットします。注意したいのは、顔まわりをサイドと一緒に切ってしまわないこと。
髪の太さや厚みだけじゃなく、デザイン上の役割も違いがあったりするので、別々にセニングを入れることがポイントです。ちなみに、このスタイルの場合は↓のようにセニングを入れてます。
●こめかみ下…しっかりウエーブを出してシルエットの土台にしたい
→根元1/4~毛先
●ハチまわり…重なったときに抜け感が欲しい
→根元1/4~毛先
●ハチ上…表面にウエーブの質感が欲しい
→根元1/3~毛先
●顔まわり…肌になじむニュアンスが欲しい
→サイドと分けて厚みをチェック
内側・表面
ワインディングに合わせて2段
前髪は顔まわりのフレームをつくる大事な場所。なので、一気にセニングを入れずに丁寧にカットしましょう。
ザクザク切らずに、1枚ごとにパネルの厚みをチェックして、隙間をつくるようにカットすることがコツです。このスタイルは2段に分けてワインディングする想定なので、それに合わせてセニングを入れています。
●内側…毛先の厚みを残して束感を出したい
→根元1/3~中間を間引く
●表面…ほどよい立体感が欲しい、
→中間~毛先手前の厚いところを間引く
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