「色んなパーマ液を知るとデザインや質感が広がるよ!」ということで、“チオとシスの可能性を探求する男”anemo山口高宏さんとともに始まった毛束実験。前回はチオ、シス、システアミン(ハードタイプとソフトタイプ)を使って、ダメージ具合の違いでどんな風に出方が変わるのかを検証しました。2回目となる今回は、1液放置タイムの違いがかかり具合にどう影響するのか? の検証結果をお届けします!
※ここで紹介しているものは、あくまで今回の記事のために行われた施術の結果であり、すべての製品や施術に同様の結果を保証するものではありません。
前回の検証記事はこちら▼
チオ・シス・システアミンかけ比べ実験 その1
8Lvの毛束で実験!
今回検証する毛束は、カラー毛を想定した8Lvの毛束(ライトナーでリフトアップ)。
使用するパーマ液は前回と同様にこの4種類で、1液塗布後の放置時間を「5分」、「10分」、「15分」に設定してかけます。
- パーマ液1 / チオグリコール酸タイプ(医薬部外品、pH8.9、アルカリ度6.5ml、還元剤濃度6.4%)
- パーマ液2 / システインタイプ(医薬部外品、pH8.9、アルカリ度5.0ml、還元剤濃度6.0%)
- パーマ液3 / システアミン(ハード)タイプ(化粧品、pH8.8、アルカリ度6.5ml、還元剤濃度チオ換算7.0%)
- パーマ液4 / システアミン(ソフト)タイプ(化粧品、pH8.5、アルカリ度1.5ml、還元剤濃度チオ換算2.0%)
ちなみに、巻き方も前回と同じ条件です。
- 使用ロッド / 15ミリ
- スライス / 横スライス、ロッド幅(約1.5センチ)
- 巻き方 / 毛先からの平巻き 2.5回転
- テンションしっかり
チオグリコール酸タイプ
の仕上がり
ウエット
ドライ
5分放置ではかかり具合が弱く、ウエットからドライにすると、ダレが見られます。10分放置になると、しっかりかかっている印象。10分放置と15分放置では、かかり具合の点では、それほど大きな差は出ていませんでした。
システインタイプ
の仕上がり
ウエット
ドライ
チオグリコール酸タイプと同じような傾向が見られました。5分放置ではかかりが弱く、10分放置と15分放置ではそれぞれ近しいウエーブが出ています。
システアミン
ハードタイプ
の仕上がり
ウエット
ドライ
チオグリコール酸タイプ、システインタイプと違い、放置タイムが長くなるに従って、ウエーブの出方も強くなりました。5分放置、10分放置、15分放置、それぞれの差がハッキリ出ています。毛先もそうですが、中間の入り方が大きく変化して見えます。
システアミン
ソフトタイプ
の仕上がり
ウエット
ドライ
ハードタイプほど大きな変化はありませんが、放置タイムが長くなるにつれて、ウエーブの出方が強くなっています。特に中間の入り方の違いが目立ちます。
パーマ液の種類によって、1液放置タイムの設定が仕上がりに与える影響も差があるようですね。チェックに入るタイミングはもちろん、パーマ液をどこからどういう順序で塗布していくかなど、サロンワークの組み立てにもつながるんじゃないでしょうか。また、今回の実験では施術直後のかかりあがりを観察しましたが、持ちについても調べてみると発見がありそうです。
みなさんのサロンでも、ぜひ試してみてくださいね!
前回の検証記事はこちら▼
チオ・シス・システアミンかけ比べ実験 その1