ホット系パーマのやり方として、低めの温度で水分を残すパターンと、高めの温度で乾かすパターンがありますよね。これ、好みだったり、なんとなくのイメージで使い分けられていることも多いみたいなのですが、実際のところどんな違いがあるんでしょうか? 気になったので実験してみます!
ウイッグ制作 / 戸石正博 [Shanty]
60℃10分と70℃10分
で比べてみます
今回比べるのは60℃と70℃。60℃が水分が残って、70℃はある程度乾くだろうという予測のもとに、加温時間は10分で設定します。
ちなみに、中明度のアルカリカラーをしているお客様を想定して、ウイッグにも事前にカラー(ライトナー30分放置)をしてあります。巻き方は、すべて毛先からの平巻きです。
加温10分経過後…
加温スタートから10分経過。1本ハズして、確認してみると…
60℃10分は全体的にやや湿っている状態、70℃10分は乾いているけどカラッカラまではいってない感じでした。
巻きなおして、2液をつけて酸化へ。
水分残しは
カールギャップがあった!
水分が残っていた60℃10分の仕上がりです。ウエットのほうがカールがしっかり出ていて、コールドパーマに近い印象になりました。毛先に比べて、中間にギャップがあります。
質感は滑らかでやわらかい感じ。
乾かしたほうは
カールギャップが少ない!
こちらは乾いていた70℃10分の仕上がりです。ウエットよりもドライ状態のほうが、カールのうねりが大きくはっきり出ました。中間から毛先にかけて均一なのも特徴的です。
手触りは少しハリがあって、プリッとした感じ。
乾かすかどうかで持ちも変わる
水分を残した「ウエットホット」と乾かした「ドライホット」、この2つのプロセス面での違いはというと、
・ウエットホット→濡れている状態を2液で固定
・ドライホット→乾いている状態を2液で固定
ということになります。
カールギャップの有る無しに差があったのも、このためなんですね。乾いている状態=日常生活の状態で形をロックするぶん、ドライホットのほうが持ちが良いとも言えます。
パーマの方法を選ぶときには、カール感や質感、長く持ったほうがいいのかどうかを、お客様とのコミュニケーションから引き出して、最適な方を選んであげるといいと思います!
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