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“スタイリング補助”発想でパーマの未来は変わる!?

ちょっと大げさなタイトルですけれど、「パーマ=スタイリング」みたいに捉えてみると、パーマという役者が登場する頻度がもっと高まって、そのうちにパーマをかけることが当たり前、になるかも。

 

 

たかがワインディング
されどワインディング 

TOMOTOMO BASIC SERIES VOL.02の誌面と連動して行われた2つのセミナーの初回となる「システインを使いこなすワインディングテクニック」セミナー。
本誌でも、毛束やモデルさんでテクニックを披露してくれた、anemoの山口さんに講師を務めてもらいました。

パーマセミナーというとケミカル関連の内容がイメージされがちですが、今回は基礎的なワインディングに絞りきった内容。
というのも、どんなに良い薬剤を使ったとしても、ワインディングがおろそかだと狙い通りのパーマデザインにはならないんです。

単に1パネル巻く中でも、ロッド径の選択、毛先の厚みの見極め、ステム、薬剤の塗布位置、毛先~根元までのテンションコントロールなどなど、こだわれるポイントは挙げればキリがありません。

 

 

ワインディングで
薬剤の特性を活かす

特に、ウエーブ形成力が弱いと言われるシステインを使う場合、ワインディングの正確さ / 不正確さはよりハッキリ出てきます。
逆に言えば、ワインディングをちゃんとコントロールできれば、システインのやわらかく滑らかな質感の曲線を、デザインに活かせるということ。

 

セミナーの前半では、そのことを目で見て確かめてもらうために、ウイッグでの技術展示を行いました。
システインの還元スピードを利用した「時間差還元」という技術も使って、より自然な風合いを求めていきます。

 

 

根元から毛先への
ウエーブの“助走”

時間差還元は、毛先を付け巻きして根元まで巻き込んだあと、放置して根元から薬剤を重ねて塗布してさらに放置する方法です。
根元~中間と毛先で放置タイムに差をつけることで、根元から毛先にかけて、ウエーブのグラデーションをつけることができます。

 

講師の山口さんは、根元からウエーブの「助走」をつけておくと、ピボットポイントから急に毛先のカールがボコッと出るのを防げる。よりスタイリング補助のような自然なパーマにできると思う、と語ります。

 

 

巻いてるつもりで
カットする

ワインディングを考えるときに、もう一つ考えたいこと。それはカットです。
カットラインだけでなく、毛先の刻み方や、隙間の作り方など、どこから曲げたいのか? どこを一番曲げたいのか? をモデルさんで技術展示。

モデルさんは直毛で、ストンと真っ直ぐ落ちてしまう髪質の女性。
山口さんは、システインを使ったコールドパーマの特性を活かして、自然乾燥ならしっかりカール、伸ばしながら乾かせば自然な内巻き、という2WAYのパーマデザインを提案していきます。

 

 

深めチョップカットで
自然なカールのベースに

パーマをかけたとき、曲線が自然につながり、溜まりができないように計算しながら、深めのチョップカットとスライドカット、レザーカットを組み合わせながらベースカットと量感調整を同時に行います。

 

量感コントロールのポイントは髪の「体積」を意識すること。
バック、耳後ろ、サイド、それぞれの体積をそろえるイメージで丁寧に隙間を作っていきます。

 

 

滑らかな手触りの
2WAY内巻きボブに

前半のウイッグで解説したワインディングのテクニックを盛り込みパーマ施術を経て、ストンとしたストレートヘアから、2WAYの内巻きボブに仕上がりました。

 

ムースをつければリッジが出て、重さのあるオイルなら自然な内巻き…

簡単なスタイリングでも形になりやすく、さらにスタイリングの仕方でバリエーションが楽しめる。

そんなパーマなら、お客様も受け入れやすいし、やっぱりパーマがあったほうが手入れもしやすいよね、と思ってもらえるんじゃないかと山口さん。

 

なるほど、大胆にフォルムを変化させるというだけでなく、パーマをスタイリング的なアプローチとして活用するわけですね。

パーマにはこういう幅もあるよ、ということをお客様にも知ってもらえたら、パーマをかけたい! という方がもっと増えるかも知れないですね。

セミナーに集まってくださった皆さん、ぜひサロンでも活用してみてください!

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