Cut  

「似合う」カットを組み立てるには? その2

「変わりたい!」女性客から根強い支持を集めるGARDEN Tokyoの秋葉千菜さんに、3回にわたって「似合うカット」のコツを伺うこのコラム。2回目は、「いろんな素材に対応する力はどう身に付けたのか?」についてお聞きします!

「似合う」カットを組み立てるには? その1

 

“髪質サンプル”を
蓄積!

髪質・・・私自身、やっと分かるようになったって思ってます(笑)。
このクセならこう切ろうとか、ここはフリーハンドのほうが良さそう、みたいな瞬発力は実のところ、今になってようやく、という感じなんですよ。

スタイリストになってから考えても・・・何人カットしたんでしょうね? 数えたことないから分からないですけど、延べでいったら何千人とかになるんですかね?
仮に1000人だとしたら、つまりそれは、1000人分の髪質が自分に蓄積されてることだと思うんですね。手で感じて、実際に切って分かることってホントに大きくて。

「この髪質はこうなるな」とか、「このつむじはこう」とか、「この浮きグセはこれで収まる」とか、サンプルが多ければ多いほど対応の幅は広がるんじゃないかな。

 

 

お客様のスタイリングは
技術のバロメーター

「髪をたくさん触っている」ことや「色んなカットをした」ことはもちろん大きいんですけど、同時に「いろんな失敗をしてきた」こともあると思いますね。体感として、すごく残るので。

前回のインタビューでお客様が自宅でも再現できるように・・・というお話をしたんですけど、私、お客様がリターンしてくれたときのスタイリングをすごく見ちゃうんですよ。私の技術のバロメーターだなと思ってて、1~2か月経っててもキマってるときは、「スタイリングすごい良い感じですね~」って話ながら自分の中で「よし!」って思いますし。逆に、イマイチ髪がキマってないときは、前回の私がイマイチだったんだな・・・と反省します。

特にデビューしたての頃は、ブローしたりアイロンしたり、すごく色々やって良い感じに持っていってたなって思いますね。お客様が家に帰ってセットしてみたら、ちょっと違うというか。自分じゃできない、みたいなことは沢山あったと思います。

 

 

失敗は
ひらめく力の素

アシスタントのときも、今よりもっと「見て覚える」時代だったから、練習するときも実験的なことをたくさん積み重ねてた気がしますね。分からないことがあると、同期同士で「これってさ、どうするの?」とか聞いたりして。苦手なところは聞いて、得意なところは「こうやってるよ」って教え合ってましたね。それでお互いやってみて、「あ、結構いいね、このやり方」とか言いながら発見していく感じ。

そんな状態だから、営業中でも「あ、ヤバ・・・」というのもあって。お客様に申し訳なくてすごく落ち込みましたし、冷や汗をかきながら、対応策をフル回転で考えたんですね。そういう経験って絶対忘れないんですよ、脳に残ってて。

今の教育の仕方と比べると、すごく遠回りだし失敗もたくさんするんですけど、考える力って言えばいいのかな? 「あの時こうだったから、こうしよう」みたいな、ひらめく感覚は身についたんじゃないかなと思います。

つづく・・・

次回は、「信頼関係をきずく秘訣」についてお聞きします。 お楽しみに!
「似合う」カットを組み立てるには? その1