「似合う」カットを組み立てるには? その1

家での扱いやすさや、悩みの解消、今の気分へのフィット感など、デザイン以外の部分まで含めて「似合う」ものが求められている今、カットの組み立てにも色んな工夫が必要になってきました。そこで今回は、「変わりたい!」女性客から根強い支持を集めるGARDEN Tokyoの秋葉千菜さんに、3回にわたって「似合うカット」のコツをお聞きします!

“ゴール”のイメージが
出発点

私、カウンセリングは受付のスペースでするので、極端に言うとお客様の正面しか見てないんですよ。だから、カットをどうしようこうしようっていうのは、ざっくりしか考えてないです(笑)。ここはゴールのイメージをつけるというか、「何を望んでるのかな?」っていうことを提案する中から探って、「こうしましょう!」と方向性を共有する時間ですね。

なので、実際にプロセスを組み立てるのは、シャンプーが終わってセット面に座っていただいて、初めて自分がお客様の真後ろに立ったとき、になると思います。

ベーシックの先は
“瞬発力”がカギ

さっきの話とズレちゃうかも知れないんですけれど、カットの手順自体は最初のカウンセリングのときに大体できているんですよね。ゴールのイメージに合わせてパパパッと。 それはある程度、型だったり、ベーシックがベースになってるとは思うんですけど。その先は常に、瞬発力や臨機応変にできるかが勝負どころかな。美容の仕事ってすべてがケース・バイ・ケースだから、ベーシックの手順そのままをお客様に当てはめるってほとんどないんですよ。

生えグセとか頭の形とかも、こんなに違うんだ! と思うくらい違うし、耳の高さも左右で違うとか、オデコの形とか・・・。

オデコで言うと、「なんか前髪が可愛く流れないなぁ、フィットしないなぁ」と思ったら、そこの部分だけ丸みがなくて真っ直ぐな骨格だったりもするので。それに合わせた切り方にパッと切り替えたりして。

“左右で違う”なんて
当たり前

素材ってホントに十人十色で、全員違うじゃないですか。だから、ざっくりしたプロセスはあったにしても、襟足が浮きやすいからこうしようとか、ここに髪が溜まるからレイヤーを入れようとか、瞬間的に考えてることが多いかも知れませんね。

だから、あんまりセクションでかっちり区切って組み立てるっていう風に考えていないと思います。場所にもよるんですけど。つむじの位置によっても毛流れとか厚みって変わりますし、部分的にクセが強いところがあったりとかもするので。

人によっては、襟足の左右で片方はちゃんと引き出すけど、片方はクセが強いからフリーハンドで切って・・・みたいなことも結構ありますね。実際の長さは両方とも違うんですけど、乾かしたら揃うっていうのを目指してカットしたり。

お客様が自宅でも再現できるとか、より良く魅力的になることが私の中で最優先なんですよ。だから、カットでは生えグセや頭の形、髪の溜まりで「おっ」と思ったところは、フレキシブルに切り方を瞬発的に変えますね。

ゴールだけは忘れずに

あとは、お客様の気持ちに合わせて組み立てているところもありますね。
例えば、「この方、服装は落ち着いてるけど、靴は結構デザイン性強いな。短いバングも受け入れてもらえそう」と思って提案したとしますよね。「それ、やりたい!」って即決する方もいれば、「似合うかな・・・?」って悩む方もいるわけで。そういうときは、ある程度カットしたところで間にカラーを挟んで、雑誌を見ながら少し考える時間を設けたりもします。そうすると、「こういう前髪も良いね」って雑誌を見ながら言ってくれたりして、それに対して「こういう前髪なら、顔まわりに少し長さ残したほうがいいですよね」って提案の枝葉が広がっていくんですね。

色んなパターンがあるので一言では言い切れないですが、こんな風に、初めからかっちりプロセスを決めきらなくてもいい場合もあるんですよね。そこで大切なのは、常にゴール、「この人はどうなりたいのか? どんな風にしてあげたら魅力的か?」をハッキリさせておくことかなと思います。そうすると、お客様がすごく迷っていても少しずつ道を拓いてあげることができますし、カットの組み立てをどうアレンジするのかの判断基準にもなるんですよ。

つづく・・・

次回は、「いろんな素材に対応する力はどう身に付けたのか?」をお聞きします。 お楽しみに!