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30代美容師のリアル~サロンに所属する人・独立する人~2/4

4回にわたってお届けしている30代美容師のリアル座談会。独立した人、サロンに所属する人、それぞれの視点で語り合います。2回目となる今回は、自分たちのタイプを紐解きながらのトーク。それぞれがの傾向が、選んできた道と重なり合います。

1回目はコチラ

 

”苦手”なほうを選んで
踏み出した一歩

 

ミヤケ(以下 ミ):なんか、話し聞いてるとさ、みんなかっこいいよね。自分はもう同じサロンに10数年勤め続けることもできないし、美容師になりたてのころから30で独立しようとか考えられないからさ。もちろん、自分が辞めるときもあえて険しい道を選ぶことがかっこいいと思って辞めたところもあったんだけど、みんなが歩いてる道を自分はもう歩めないんだと思うと、すごくかっこいい。

 

岩屋(以下 岩):僕やネモ(根本さんの愛称)からしてみたら、ケイジノリさんみたく、動いて一歩越えた人達って尊敬でしかないですよ。僕からしたら、抜ける勇気もないし、正直面倒(笑)。

 

根本(以下 根):わかります。面倒臭さありますよね(笑)

 

岩:人間関係の構築から、道具がどこにあるかも分かんない状況とかしばらく経験してないじゃない。そこに費やす労力ないなと、と思ってしまう。

 

佐々木(以下 佐):僕はどっちかっていうと、経営者になりたいほうが強かったからね。

 

ミ:それ、18のときから考えてたってこと?

 

佐:そうなんですよ。僕が美容師になろうと思ったキッカケが『Beautiful Life』(※)だったんですけど、当時16歳くらい? ですよね。その頃からなんとなく。東京に出てきたときも、青山の有名店と渋谷のサロンで面接して両方受かったんですけど、結果的にエリア的に苦手だった渋谷を選びました。
※『Beautiful Life~ふたりいた日々~』2000年に放送されたドラマ。主演は木村拓哉と常盤貴子。

TOMOTOMO(以下 T):それは経営的な目線で、苦手なゾーンを取り込もうと考えたと?

 

佐:そうですね。もともと働いていた千葉のサロンは老舗の落ち着いた雰囲気だったので、青山のほうが客層的に近いとは思ったのですが、苦手なほうを選んだほうがいいかなと思って。当時の渋谷はギャルのお客様も多いし、スジ盛りが流行っている時代だったから、自分の好みのエリアではなかったんですよ。髪もすごくダメージしてて、さらにハイトーンにしてダメージさせる、みたいなイメージがあって苦手でした。でも逆に、その中で自分の好きなゾーンを増やそうかなと思って。今年ようやく独立して一先ず黒字できてるので、来年はスタッフを増やして店を拡張しようと思っています。

 

根:え、早くないですか?

 

佐:独立して4か月くらいたったときに、「やれるな」という妙な安心感があったんだよね。でも同時に、危ないとも思って。オフのスイッチっていうか、攻めてないな、みたいな。だから来年動けるように、準備しておこうと思ってて。

 

一同:なんか経営者っぽいよねー。

 

”ボス戦”を前にして・・・
すぐ挑みたい?徹底的に準備したい?

 

佐:自分は石橋叩いて渡るタイプなんですけど、さっき※のネモちゃん(根本さんの愛称)のドラクエの話聞いてたら逆だなと思って。ドラクエだったら早めにボスいってたなと。
※30代美容師のリアル~サロンに所属する人・独立する人~1/4 参照

 

ミ:おれだったら、まず一回戦ってどれくらい通用するのか、どれくらいの差で負けるのか知りたいタイプだな。プロポーズもそうじゃない? プロポーズがボスだとしたらさ、こっちがもうちょっと収入上がってから・・・とか準備してる間に相手もレベルアップしてるんだよね。だからまず、まず挑む意思は見せておかないと、みたいな。

 

岩:おれはどっちか分からないっていう勝負が好きかな。ギリギリいけるかな? みたいなところで勝ちたいタイプかも。

 

T:岩屋さんのギリギリ、というのは仕事だとどんなシチュエーションですか?

 

岩:カラーリストを選んだこと自体がそうですね。当時僕の世代がアシスタント1年目からカラーリストとして勉強していく最初だったので。特に強要されたわけでもなく、入社して1か月でその道を選んだんですよ。競争相手が少なそうだというのもあるんですが、スタッフルームで先輩に何気なく「カラーリスト、やってみない?」って聞かれたときに軽く断って流せない自分がいたんですよね。振り返るとそういうキャリア選択が多い気がします。多分、選んでよかったと思えるように頑張るのが好きなんでしょうね。「まだ早いんじゃない?」とか「やめたおいたほうがいい」と言われることも多いんですけど、それをひっくり返すのが超快感なんですよ(笑)。

 

一同:ドMだよね(笑)。

 

サロンへの恩の感覚があるのかも?

 

T:根本さんは徹底的に準備するタイプということですけれど。

 

根:そうですね、僕がボスに挑むときは、徹底的に準備してるから、絶対に負けない自信があるんですよね。まぁ、でも実生活ではこぼれるところってあるじゃないですか。予想していなかったことが必ずある。そしてそれこそが一番大切な答えだったりするんですよね。で、話ズレちゃうかも知れないですけど、岩屋さんって結婚めちゃくちゃ早かったですよね。それもある種、今のサロンに所属し続けるキッカケなのかなと思って。

 

岩:ああ、それは間違いない。

 

根:僕の場合は事故があるじゃないですか。僕、美容師になってから交通事故で怪我してて、しかもそれがアシスタントのときだったから、店に人一倍恩義を感じているところがあるんですよ。そのことについて、上司から何か言われたりすることもないんですけど、何かそういう気持ちはありますよね。

 

岩:僕は妻も同じ会社だから、ここじゃなかったら出会えてないし、そいういう意味で恩はあるかもしれないな。

 

 

to be continued…3/4につづく!

1回目はこちら

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