30代美容師のリアル~サロンに所属する人・独立する人~1/4

30代にもなると一度は必ず湧き出てくる「これからどうしよう?」という漠然とした気持ち。店を辞めて独立するのか、今まで通りに勤め続けるのか、あるいはキャリアチェンジするのか・・・? そんな30代のリアルに迫る座談会を4回にわたってお届け!
独立を選んだ人、サロンに残ることを選んだ人、それぞれの目線で語り合います!

「独立志向」と「違う働き方への憧れ」

TOMOTOMO(以下T):みなさんは、社会人サッカーチーム「FC VOLT」で出会ったとのことで、働いているサロンはもちろん、働き方もキャリアの考え方も違いがあるんじゃないかと思います。岩屋さんと根本さんは美容師になってから今現在まで同じサロンに勤め続けている。そして、佐々木さんとミヤケさんは独立を選んだ、ということですね?

佐々木(以下 佐):そうですね。僕は18でサロンに入ったのですが、その頃から漠然と30歳で独立しようと考えてましたね。結果的に3年くらい遅れてしまいましたけど。僕は、美容師は数字を持っていないと、と考えているところがあるんですよ。千葉から渋谷に出てきたときにゼロからの再スタートだったので、だいたい8~9年ですかね。その期間は数字をあげることに尽力してきた感じです。

T:もともと独立願望を持っていたんですね。

佐:そうなんですよ。プレイヤーより経営したいほうが強かった。みんなそうだと思うんですけど、働いてる中で疑問ってあるじゃないですか。スタッフ管理も含めて、自分が考えるシステムで売り上げられるサロンを作ったら面白いんじゃないかと、そんなイメージがありました。

ミヤケ(以下 ミ):僕の場合は、ケイジみたいに独立願望があったわけじゃなかったですね。前勤めていたサロンでは、自分のお客様がフロアに3人いるような状況のときもあったので、アシスタントに仕事を任せないと回らないじゃないですか。でも僕は常に自分で全部把握しておきたくなってしまって。後輩だったらやり辛いだろうなと思うくらいちょこちょこ顔出してたりとか、自分ルールを押し付けていることが自分でもイヤになってきて。そういうときの僕のちょっとした表情とか言葉の端々から、お客様にもその空気が伝わってしまったこともあって、これじゃダメだなと思いはじめて。

T:アシスタントさんに任せながらの仕事に疑問が沸いてきたということ?

ミ:多分、自分がお客様だったら1人の担当者に全部やって欲しいんだと思います。そう思ったときに、僕を指名してくれるお客様に対して、カットと仕上げの手直しだけしか携われていない自分がすごくもどかしくなってきてしまった。でも同時に、自分自身は先輩から仕事を任せてもらって叱られたり褒められたりしながら成長してきたから、後輩にもそういう機会を与えたい気持ちもあって、すごく消化不良でした。そういう状況が1~2年続いていて、上司に相談した結果サロンを離れることを選びました。

周りの人がいるからこそ所属し続ける

T:岩屋さんと根本さんは、今のサロンに勤めて13~4年になると思いますが、独立を考えたことはないですか?

岩屋(以下 岩)根本(以下 根):ないですね。

岩:僕はカラーリストなので、そもそもスタイリストがいないと仕事が成り立たないから全部自分でやろうという気持ちがないんですよね。3人みたいに、全部自分でできるからこそ、そういう展望が出てくるんじゃないかなと思う。

根:僕も同じサロンにずっといる側ですけど岩屋さんと違うのは、分業制というシステムももちろんありますが、僕の場合は独立心がゼロではないんですよね。ノリさん(ミヤケさんの愛称)のマンツーマンでやりたいという気持ちもすごく納得できる。

岩:僕はどちらかというと、狭く深く極めたい気持ちのほうが強いんですよ。30歳手前から4年ほど店長をしていたんですが、そのときに「経営するのは違うな」と思って。店長になったからには売上とか生産性とか目標達成率とか、数字面をみなくちゃいけないじゃないですか。数字を追わなければならないのは当たり前なんですけど、仕事を楽しむワクワクする感覚というか、幅広い意味でのクリエイティビティを犠牲にしながら物事を捉えてしまっている自分がいました。

T:自分の仕事が数字に置き換わってしまうと、リンクしない違和感があった?

岩:そうですね。キャリアを重ねていくと、自分が好きなクリエイティブな仕事も店長の仕事も大きくなるじゃないですか。そうなったときに、どちらかに比重を置かないといけなくなって、良い相互作用が効かなくなってきたというか。クリエイティビティと数字って水と油みたいなところがあると思ってて、常に混ぜ続けてないとすぐ分離する。仕事を楽しんでない店長ってヤバいなと思って、それで代表とも話をして、アートチームのディレクターとしてカラーを極めることに専念しようと。

根:30代楽しくないのヤバいですよね。僕は今、会社にいることで、より沢山の人に感動や幸せを届けられているんじゃないかなと思っているんですよ。スタッフがいることでより多くのお客様に携われるし、僕がヘアメイクをしたアーティストや広告ビジュアルで多くの人が感動したりとか、髪を通した仕事で人を結ぶことにつながっているんじゃないかと。今後独立することがあるのかも知れないですけど、今その形って多様性があるから、新しい形を探っているようなところがありますね。

T:モデルケースを模索している?

根:後輩たちに対してはそうですね。僕の師匠たちは、カットだけでもすごい人数のお客様を担当して数字をあげている。それが一つのパターンだとしたら、その後輩である僕らは、何を感じて、どういうステップで上がっていくのか、その説明書を書いている感覚です。ちょっと話ズレますけど、ドラクエで言うと、僕は最短でボスを倒したくないタイプなんですよ。ダンジョンで宝箱全部とって、ボス戦の前にちょっとレベル上げしたい。そういう意味で、今は会社に守られながら、美容師の形を探して準備しているところがりますね。

to be continued… 2/4に続く!