サロンのスタッフ育成 SPLASH(東京・渋谷)の場合<前編>

TOMOTOMO編集部がお届けするスタッフ育成レポート、第3回は代々木八幡のサロン、SPLASHの事例です。前編ではサロンの歴史と、今や売れっ子スタイリストの苦節時代のお話を。

オープン当初のスタッフは

全員辞めてしまった

代々木八幡駅すぐ近くにあるSPLASHは、オーナーの小林誠さんが2001年、32才でオープンしたサロンです。当時のスタッフは小林さんを含め3名。現在は小林さんの他に20~30代の女性スタッフ5人で営業しています。

この地で15年以上お客様をお迎えし、着実に売り上げを上げているSPLASHですが、オープンしてから数年は、スタッフが誰も定着せず、小林さんはストレスに悩む日を送ったそうです。

オーナーの小林誠さん

円形脱毛を13個も作るほど悩んだ後、小林さんのサロン作りが変わります。自分の理想とする型にあてはめるのではなく、スタッフを一人一人見て、スタッフと共にサロンを作っていくように切り替えたのです。

新人の教育も、最低限のことは共通して教えるけれども、そこから先は個人に合わせて育成することにしました。入社してくるスタッフはそれぞれ違う。デビューにかかる年数も、人によってそれぞれで構わないと小林さんは腹をくくりました。

人気者なのに指名が

つかなかった木村さんの場合


明るい性格で、買い物に出れば店員さんとすぐ友達になってしまうくらいコミュニケーション力のある木村由里香さんが入社したのは2009年。お客様にも「ゆっかちゃん」とすぐ親しまれてサロンのアイドルになったのですが、技術の習得には苦労することになりました。自他共に認める「超絶不器用」で、シャンプー試験に合格するまで4カ月かかったそうです。


 不合格になり悔し涙のゆっかちゃん。小林さんはブログで彼女の奮闘を伝え続けた

その後もカラー剤塗布、ブロー、ワインディング、カットの試験に何度も落ちながらも、入社3年目の10月に晴れてデビュー。それまでの苦労をオーナー小林さんがブログで随時報告していたこともあり、人気者のゆっかちゃんがスタイリストに! ということでお客様からお祝いの花束が贈られました。

お客様がつかないのは

何故?

しかし、その後は順調ではありませんでした。指名客がつかずに売り上げが伸びず、そのままではスタイリストを名乗るのをあきらめなければいけない事態になったのです。
2014年、たとえスタイリストとしてでなくても、木村さんに退職してほしくなかった小林さんは、別の働き方を提案します。「スーパーアシスタント、できればコンシェルジュのようにサロン全体を見渡す役割」へのシフトを勧めてみたのです。
しかし木村さんには、あくまで一人の美容師として通用する仕事をしたいという強い意志がありました。「いつも明るい人気者のゆっかちゃん」というイメージの裏に隠れて、その真摯な思いはあまり表に見えていなかったのです。

ロールプレイングで

仕事を1から10まで見直す

「私は美容師として売れたいんです」という真正面からの言葉を聞いた小林さんは、木村さんの仕事を1から見直すことにしました。店長にも協力してもらい、技術はもちろん、ロールプレイングで、お客様のお迎え、カウンセリング、フィニッシング、最後のお見送りまで、お客様がリピートしないのは何が問題なのかを洗い出したのです。いくつかの発見がありましたが、中でも大きかったのは、お客様に対してプロの美容師としてのコミュニケーションができていなかったことでした。サロンの人気者で誰とでも楽しく会話ができるコミュニケーション力はありましたが、美容師としての説得力が当時の木村さんには足らなかったのです。

ファミリー顧客の多い

トップスタイリストに 

この再教育をきっかけに、木村さんの仕事に少しずつ変化が起こり、接客時の会話も変わってきました。さらに店長が産休に入ると、自分がしっかりしなければという意識も芽生えてきました。


2015年、サロンで行っているキッズカットのボランティアに参加した木村さんは、子供たちに大人気になります。ふところの中にすっと入っていける彼女は、お子さんだけでなくそのお母さんの心をつかみ、さらにお父さんを含めたファミリー単位を顧客として獲得できるようになるまで成長していったのです。その後は指名数も100人、150人と増え、2017年の繁忙期には200人を超えました。現在ではサロンでトップの売り上げを出すスタイリストになっています。

後編では「内気過ぎて会話ができなかった関根さんの場合」をレポートします!

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