上手い人たちが、ステータスを「カワイイ」に全振りすると。

今回の本は、ABBEYの皆様にほとんど一冊丸ごと協力していただいて作ることができました。中でも松永英樹さん・中村章浩さん・小田嶋信人さんのABBEYトップ3人衆がそろうなんて、なかなかないんじゃないでしょうか?

技術を見せつけることだって

やろうと思えばできる。

このお三方、ベテランですし、カット技術がスゴイのはそのルーツから言っても当然のこと。ヘアスタイルを上手く作ろうと思えばいくらでも上手くできちゃう方たちです。

でも今回の撮影や取材を通して編集部が感じたのは、3人は「技術はもちろん大事だけど、相手をかわいくしようとする気持ちの方がもっと大事」ということを若い美容師さんに伝えようとしてるんだなあということ。

そしておそらく、普段からその気持ちがお客様に伝わる接客をしているんだろうなあ…とも思ったのです。

かわいくするために

技術をどう使うのか

たとえば松永さんは、顔まわりを作るときは2パターン見せて「こっちの方がかわいくない?」という提案をするようにしているそうです。撮影中も、モデルの前髪をいろいろ動かして試している様子が見て取れました。この提案、受け入れられるかどうかは実はそんなに意味がなくて、お客様と一緒に「カワイイ」を考える時間を必ず共有する。そのことに価値をおいているのではないかと思います。

そして小田嶋さんが若手スタッフに良く言っているという「30分のうち20分バックを切ってたらリピートしてくれないよ。時間をかけるなら一番気になる前髪。バックはささっとスピーディに!」というお話も印象に残りました。バックのフォルムに並々ならぬこだわりがあるに違いない小田嶋さんが言うからこそ、含蓄があるのですよね。お客様が気にしている正面、美容師の領域であるバック。両者の間でギアチェンジが必要、と言ってくれているわけです。

 

中村章浩さんは基本形のウイッグ3点を切ってもらったのですが、それぞれベーシックなスタイリングと、アイロンでアレンジしたパターンも作ってもらいました。手をかけてちゃんと作ると、ウイッグも本当にかわいく仕上がる。撮影中、「あーこのスタイルをモデルで見たい!」と何度も思いました。今回は中村さんには基礎トレーニングのページを担当してもらったので、モデルの撮影はありませんでしたが…。

そして、チェックカットの撮影をしながら中村さんがずっと言っていたことも忘れられません。それは「やり過ぎないこと! ここでいいと思ったら止めること! そうしないと今の時代はかわいくなくなります」。まさにカット上手い人あるあるです。「あっ、今かわいい!」という瞬間を逃してしまうと、やり過ぎちゃうのですよね。

この本の制作中ずっと、美容師さんの技術や知識と、お客様の満足度について考えさせられました。「あー美容室来てよかった!」とどれだけ思ってもらえるか。そのためには、これからますます「技術の上手さ」より「技術の使いどころ」が求められるようになっていくのだろうな、と思わざるを得ません。

これからお客様をつけていきたい若い美容師さんは、技術練習とともに「相手をかわいくする気持ち」も育てていってくださいね。

TOMOTOMO BASIC SERIES VOL.5では、ABBEYのスタイルと技術が全編通して見られます。お申し込みはディーラー様かこちらから。

http://www.shinbiyo.com/magazine/tomotomo/bs005/index.html