パーマが魅力的になるのは、その「段差」があってこそ。

キャリアの長い人なら知っている、「みんながパーマをかけていた時代」。お客様も、美容師も、今よりずっとパーマを身近に感じていたのです。あの頃と今、パーマを取り巻く状況は何が変わったのか、今のパーマは何を大事にするべきなのかを考えてみました。

みんながパーマを
かけていた時代

かつて、多くの女性がパーマをかけていた時代がありました。40代以上の美容師さんならリアルタイムで知っていると思いますが、ソバージュと呼ばれたスタイルです。デザインにバリエーションはありましたが、日本で流行ったのは、ほぼワンレングスのベースに根元から毛先までウェーブのあるパターンが多かったように思います。

「パーマが増えない」という話が出るたびに、「あの頃は良かった」とこのソバージュの時代を思い出すのですが、そのままではただのジジババの愚痴になってしまうので、80年代後半~90年頃と今のパーマ事情の違いを分析してみました。

あの頃と今、こんなに
パーマの状況は変わっている

・あの頃は黒髪の人が多かったが、今はヘアカラー毛へのパーマが前提になっていて、施術が難しい。

・あの頃のパーマはシンプルだったけれど、今は薬剤の種類が増え、熱や乾燥の利用などパーマ施術が進化。そのため美容師側にパーマを「難しいモノ」ととらえる人が増えている。

・アイロンを使いこなす女性が増え、パーマをかけなくてもカールやウェーブが楽しめるようになっている。

・あの頃はパーマといったら根元から毛先までウェーブだったが、今はウェーブが高い位置からついているデザインは、若い世代には好まれない。最近変化が見られるとはいえ、まだ求められているのは毛先中心のパーマ。

・あの頃は「パーマをかけた」ことがそのままデザインになり、人工的な印象でOKだった。今は「抜け感」「クセ毛風」という言葉が使われるように、いかに自然な印象を作るかがポイント。

……このあたりがかつてと今の違い、そして今パーマが増えにくい理由なんじゃないでしょうか。最初の2点は毛髪診断やケミカルの領域ですね。ここで問題にしたいのは、4点目と5点目。これ、実はパーマなんですけどカットが重要なんですね。

カールの積み重なりを
カットから考えてみよう

かつてのパーマのように人工的な印象を出したいなら別ですけど、今求められる自然な感じにするにはカットで毛先に段差をつけるべき。ワンレングスの毛先にカールをつけるとカールが溜まってしまいますが、グラデーションの段差がついていればカールは少しずつずれて積み重なり、自然な印象が生まれます。

文章で読むと当たり前の話なんですが、意外とこの「段差」、活用されていないみたいなんです。セニングシザーやスライドカットでやたら毛先を薄くしちゃうよりも、ベースのカットで毛先に段差をつけておいた方が、お客様もスタイリングしやすいようですよ。

昨年のTOMOTOMO10月号では、カットとパーマの関係をいろいろ実験してみました。写真はその一部です。カールの表情をいろいろ作り分けようとすると、ワインディングで巻き方を変化させないと! と思いがちです。でもしっかりカットしてあれば、ワインディングはそれほど凝らなくても、いい感じのカールスタイルに仕上がることがわかりました。なんかパーマが今風にならない……と悩んでいる人は、カットを見直してみるといいかもしれません。

10月号を担当してくれたCHELSEAの柳澤利明さんは、3月7日にこの特集を元にしたセミナーの講師を務めていただきます。カットとパーマの実験もライブでたくさん見せてもらえるようなので、興味のある方はチェックです!

http://www.shinbiyo.com/magazine/tomotomo/2016_10/form.html